2023年11月5日(日)白砂川発電所の導水路跡
意外な経路をたどっていました。
- (2023年12月3日(日) 午後1時49分47秒 更新)
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![谷を渡る導水路 谷を渡る導水路](./i/3.DSCF7029.jpg)
谷を渡る導水路を支える石垣。
支尾根を穿つトンネル
白砂川発電所の導水路を探してみたところ、白砂川東の山の中腹にあるにはありましたが、予想外の経路を辿っていました。支尾根を巻くのではなく、尾根にトンネルを穿ち、谷を石垣の橋で渡るという、全て人力のはずの明治時代になかなかの力技です。花崗岩帯で大岩があちこちに埋まっている場所ですから、トンネル掘削のために発破も多用されたかもしれません。
最初尾根線を登ってみたのですが、どこまで登っても導水路がなく、とうとうゴルフ場が見えるところまで登ってしまい、どういうことなんだろうと思いました。尾根線はトンネルでくぐっていたので、地上には何もなかったというわけです。
ちなみにトンネルの入り口の左右に打たれたコンクリート杭に、東邦電力の社章らしきものが刻まれていました。
この導水路は途中まで奈良市水道局が白砂川の水を須川ダムに流す自然流下水路の一部として今も使用しています。トンネル直上の尾根に「奈水」と刻まれた杭もありました。
白砂川発電所は、1921年ごろに当初の位置から下流に700mほどの白砂川べりに移転し、発電容量が200kWから480kWに増強されました。その後、600kWにまで増強されましたが、1967年1月に廃止となりました。
ところで須川ダムの建設が始まったのが1967年11月で、須川ダムは1969年7月に完成しました。現在白砂川発電所に白砂川の水を運んでいた導水路は、途中まで須川ダムに水を送る導水路として現役で使われています。未確認ですが、タイミングからすると、奈良市が白砂川の水を水道の水源として使うために、白砂川発電所の導水路を買い取ったことによって、白砂川発電所が廃止されたようにも思われます。
![白砂川取水堰 白砂川取水堰](./1/1/1/3.DSCF7019.jpg)
白砂川取水堰。現在は奈良市企業局(水道局)が管理者となっています。
![DSCF7023 DSCF7023](./1/1/1/4.DSCF7023.jpg)
右手のトンネルに流れ込む水が須川ダムまで流れていきます。この水は元は白砂川発電所に流れていました。
![DSCF7025 DSCF7025](./1/1/1/5.DSCF7025.jpg)
導水管から溢れる水を川に戻す設備。
![DSCF7049 DSCF7049](./1/1/1/6.DSCF7049.jpg)
この場所で、逆サイフォンにより対岸に水を渡して、そこからトンネルで須川ダムまで水が流れていきます。この場所より下流の白砂川沿いにある白砂川発電所の導水路は今は使われていません。
![支尾根を貫くトンネルの出口。 支尾根を貫くトンネルの出口。](./1/1/2/3.DSCF7037.jpg)
支尾根を貫くトンネルの出口。
![東邦電力のコンクリート杭 東邦電力のコンクリート杭](./1/1/2/4.DSCF7039.jpg)
トンネルの左右にコンクリート杭がありました。左下が下とすると、東邦電力の社章が刻まれているように見えます。
![tohodenryoku tohodenryoku](./1/1/2/5.tohodenryoku.jpg)
東邦電力の社章。
![支尾根の上のトンネル直上には「奈水」と刻まれた杭がありました。 支尾根の上のトンネル直上には「奈水」と刻まれた杭がありました。](./1/1/2/6.DSCF7042.jpg)
支尾根の上のトンネル直上には「奈水」と刻まれた杭がありました。
![谷を渡る導水路 谷を渡る導水路](./1/1/3/3.DSCF7027.jpg)
谷を渡る導水路。
![次の支尾根にもトンネル。 次の支尾根にもトンネル。](./1/1/3/4.DSCF7032.jpg)
次の支尾根にもトンネル。
再訪!槇山千坊?〜白砂川発電所導水路跡〜下狭川歯痛地蔵 / 弥勒の道プロジェクトさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
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