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2024年2月28日(水)白砂川発電所導水トンネル跡

  • 白砂川発電所の導水路のうち一番最後のトンネルを見つけました。

  • (2024年2月28日(水) 午前1時1分17秒 更新)
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導水トンネル跡

支尾根にうがたれた導水トンネル。

1907年に建設され1967年まで使われた導水トンネル

白砂川発電所は、関西水力電気株式会社の第一発電所として、明治40年(1907年)9月、下狭川に建設されました。寺坂橋下流200mほどの車道から見える対岸の石垣がその跡地です。

白砂川を2.5kmほど遡った奈良市阪原町内に発電用水の取水堰がありました(この取水堰は現在は奈良市の水道用水の取水のために使われています)。取水された水は、尾根をトンネルでくぐり、谷を水路で渡って、最後には約50mの標高差がある、この向かい側の尾根の上から断崖を真っ逆さまに落ち、出力200kWの発電機を回していました。今回見つけたのは、最後の導水トンネル跡です。山に染み込んだ水がトンネルから流れ出し、導水トンネル出口付近は池のようになっていました。

この導水トンネル跡の50mほど西の車道脇に、コンクリートの桝があります。この桝から下の山の急斜面に、石垣で作られた水路が作られています。水路はほとんどまっすぐ麓に向かっているようです。このあたりで導水路が導水管に変わったと思われます。この桝からふもとに続く水路は導水管から溢れた水を逃すために作られたのではないかと思います。

枡のある場所から、130mほど車道を下ったところには、石造りの導水管台が残っています。中央のくぼみに導水管を据えつけたように見えます。さらにそこから車道を330mほど下ったところの北側にある小ピークの上にも導水管台が数基残っています。小ピークから先は断崖となっているので注意が必要です。

明治時代によくこれだけのものを作ったものです。奈良の近代化遺産として、もう少し知られてもよいのではないかと思いました。

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