2016年5月1日(日)浄瑠璃寺奥之院下流の砂防ダム
浄瑠璃寺奥之院前を流れる赤田川のすぐ下流に砂防ダムがあります。ひさしぶりに見に行ってきました。
- (2016年5月19日(木) 午後8時21分14秒 更新)
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大きい砂防ダムから流れ落ちた川の水が薄茶色に泡立ち、その少し先にある堰に貯まっています。山深い地にある谷川とは思えないありさまです。
浄瑠璃寺奥之院前を流れる赤田川
バス道からしばらく歩き、谷へ降りるあたりになると、もう下水のような臭いが漂っていました。相変らず川の水が汚いです。谷中に充満する糞尿の臭いが酷くて、ここに来るたび、浄瑠璃寺奥之院のお不動様に申し訳ない気持ちになります。
手前が赤田川です。奥に昭和に造立された不動三尊像が見えています。あたりには下水のような臭いが漂っています。
茶色く濁り泡立つ赤田川。ここに流れ来るまでに、滝や砂防ダムがありますが、それでもなお、ちょっとしたよどみにもヘドロが貯まるほど川の水が汚いです。
奥之院すぐ下流にある大きめの砂防ダムはヘドロで埋まっています
浄瑠璃寺奥之院からすぐ下流には、大きめの砂防ダムがあり、大きな池ほどのダム湖が作られています。この周囲にも下水の臭いがたちこめ、かつての清流の面影は今やまったくありません。
砂防ダムによってできた池には、生き物の気配がありません。水面近くまで黒っぽいヘドロが貯まり、茶色や灰色の泥水がゆらゆらと漂っています。
茶色く濁った水が激しく泡立つ滝口。この泡が、冒頭の写真のように、少し先の堰にたまっています。
ヘドロで動かせなくなった堰。いったい何をどれだけ流せばこんなことになるんでしょうか。
砂防ダムによってできた池沿いの小径。水がきれいになればとても気持ちのいい道になるだろうと思います。
砂防ダムから下流は針葉樹の林を歩きます。この針葉樹は放棄された田んぼに植えられたものだそうです。おかげで笹薮に覆われることはありませんでした。一見すると空気のきれいな谷間の風景ですが、やはりこのあたりにもどぶ川の臭いが漂っています。
汚染源と疑われる上流の養豚場と不法産廃処分場
赤田川をここまで汚くしている元凶は何か、木津川市議会では木津川市発足当初より毎年のように議論されてきました。水質汚濁の原因として疑われている場所のひとつは、赤田川上流にある養豚場です。養豚場より上流では、水の濁りも臭いもほとんどありません。養豚場より下流に限って糞尿あるいはどぶ川のような臭いが酷いという現実があります。最近は特に日暮れごろ臭くなります。谷の上の尾根道まで臭いが漂ってくるほどです。外にいる人が少なくなる時間を見計らって汚水が流されているのかもしれません。
ただ、養豚場よりさらに上流の奈良市法用町に、不法に造られた産廃処分場があり、大雨が降ったときなどに、そこから染み出した未処理の汚水が流れ出すこともあるようです。そのため、木津川市も奈良市も、赤田川の汚れが酷いことを認めつつ、原因を特定できないと言うばかりです。いずれにせよ、赤田川の水質が一時より再び悪化していることは確かです。なんとかしてほしいと思います。
下記は、畜産の情報-調査・報告-2003年10月 月報国内編「養豚に切っても切れない汚水処理」からの引用です。
放流できる処理水を得るためには浄化槽(活性汚泥処理施設)が必要である。養豚ではふんと尿を分離し、ふんはたい肥化、尿は浄化槽がメジャーな方法となっているのである。
なお、赤田川は当尾京都府歴史的自然環境保全地域に接しており、砂防ダムで作られた池の一部を含め浄瑠璃寺奥之院瑠璃不動像周辺は文化財環境保全地区に指定されています。
【動画】気温上昇とともに状況が悪化する砂防ダム周辺〈5月18日追記〉
半月ほど後、この場所がどうなっているか気になったので、再度砂防ダムでできた池を訪れました。気温が上昇したせいか、たった半月で状況はさらに悪化していました。
水底でメタンが発生しているのか、水面を無数の泡が埋め尽くしています。相変らず臭いも酷く、池のそばにいると気持ち悪くなるほどです。
気泡がポツポツと浮き上がっているようすが見て取れます。撮影することはできませんでしたが、15センチほどの大きなあぶくが、水底のヘドロとともに、ぼこっと上がってくることもありました。
Map.
奥之院への道については、OpenStreetMap が参考になります。
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