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2022年9月10日(土)実範上人御命日法要 2022年

  • 今年も実範上人のご命日である9月10日に、奈良市中ノ川町にある実範上人御廟塔前で、各寺院によるご命日の法要が営まれました。

  • (2022年9月11日(日) 午後3時12分10秒 更新)
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浄瑠璃寺・岩船寺によるご命日の法要。

浄瑠璃寺・岩船寺によるご命日の法要。

南山進流声明の源流、中川寺

実範上人のご命日ということで、おそらく9時ごろに興福寺さんが、10時ごろからは浄瑠璃寺さん岩船寺さんが、中ノ川町の実範上人御廟塔の前で法要を営まれました。下動画は浄瑠璃寺さんと岩船寺さんによる法要です。今年は浄瑠璃寺さんが焼香台を用意してくださいました。

浄瑠璃寺と岩船寺のお坊さんが最初に唱えられているのが、南山進流の声明です。浄瑠璃寺のご住職曰く「通常墓前では声明はあまり唱えませんが、実範上人のご命日法要ということで、一つだけ声明をあげさせていただきました」とのことでした。

実範上人が開いた中川寺の声明は、実範上人の弟子で声明に優れていた宗観(大進上人)にちなみ、大進上人流、略して「進流」と呼ばれました。その後13世紀に高野山三宝院住職により進流声明の本拠地が高野山(南山)に移されます。南山進流声明は中川寺が発祥の地だったわけです。それで、墓前ではあまり唱えられることのない声明が、実範上人ご命日の法要では、唱えられるということなのでした。歴史の巡り合わせを感じます。

ちなみに、浄瑠璃寺のお堂で営まれる法要では、声明がほぼ必ず入るということです。唱え終わったらシンバルのような鳴り物(妙鉢)を鳴らすのが声明なので、妙鉢が鳴るかどうかで、声明かどうかがわかるそうです。ただ、時間を短縮するために、妙鉢を鳴らして唱えない場合もあるのだとか。法要で用いられる鳴り物にもそれぞれにいろいろな役割があるようです。

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