2022年2月18日(金)浄瑠璃寺奥之院の滝の上に善如龍王の祠跡?
浄瑠璃寺奥之院の滝の上に何か建物の跡がありました。
- (2022年4月7日(木) 午前3時6分29秒 更新)
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浄瑠璃寺奥之院の滝の上に四角い石組みがありました。
善如龍王祠 三尺四方
浄瑠璃寺奥之院の滝の上にある石材は、善如龍王の祠の跡ではないかと思います。明治29年(1896)の京都府管下山城相楽郡寺院明細帳目録をよく見ると、浄瑠璃寺奥之院に「善如龍王祠/三尺四方」と書かれています。浄瑠璃寺奥之院の滝の上にあるものは、まさにぴったり三尺(90cm)四方の石組みなのです。
左上に「不動」と書かれた場所があります。(上画像の出所:「特別名勝及び史跡 浄瑠璃寺庭園 保存修理事業報告書Ⅰ(発掘調査編)」2019、35ページ)
不動と書かれた岩の上に、鳥居マークがあり、そのそばに池と善如龍王の祠が書かれています。
池があったとすれば滝の下に違いないと思い込んでいたため、これまで明細帳の図にある川の流れを逆に見ていました。瑠璃不動磨崖仏が彫られている滝の上に、池があったとは思いもよりませんでした。今はすっかり埋もれていますが、石組みの前を掘れば、石垣など池の跡が出てくるかもしれません。
宮本常一著作集第25巻「村里を行く」所収「南山城当尾郷民俗聞書」に雨乞いの項があり、次のように書かれていました(312ページ)。
また、九体寺の奥山にある竜王さん(土地の人はジョーさんと言っている)をお寺に持ってかえり、そこにある小さい池の水を浚えると必ず雨が降ると言われている。この竜王さんは仏様でえうらくを冠っている。日照りの長く続いた時はこの願をかけた。
この聞き書きは、昭和14年(1939)のものですが、その当時、奥之院にあった善如龍王は土地の人に「ジョーさん」と呼ばれていて、雨乞いの儀式もしていたそうです。石組みの近くには比較的新しい瓦が散らばっており、それほど遠くない昔まで、この石組みの上に善如龍王の祠があったようです。
かつては、石組みの前の、この狭い谷間に、小さな池があったのかもしれません。
石組みの近くに散らばる瓦。それほど古そうには見えません。
石組みの近くに、榊立てのような白い陶磁器が埋まっていました。掘り出して中の土を出そうとしたところ割れてしまいました。こちらもあまり古そうには見えません。
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