実範上人のご命日にあたる2020年9月10日、奈良県奈良市中ノ川町にある実範上人御廟塔で、実範上人のご威徳を偲び、般若寺・浄瑠璃寺・岩船寺合同の法要が営まれました。御廟塔のある一帯には実範上人が開かれた中川寺があったとされ、この場所は南山進流声明発祥の地でもあります。

念のため浄瑠璃寺のご住職がテントを用意してくださったのですが、法要の間雨が降ることはなく、時折降り注ぐ日差しが、紅葉の葉を透かしてとてもきれいでした。今回は般若寺・浄瑠璃寺・岩船寺オールスター勢揃いで、コロナ禍で法要が簡素化される中、久々にお坊さんの揃った法要だった気がします。

三か寺合同の実範上人ご命日法要が終わって、御廟塔に生えている苔類を「これが石を痛めるんですわ」と言いながら皆さんでむしっているとw、興福寺のお坊さま方が御廟塔に来られました。いつもはもう少し早く来られるので、珍しいと思っていましたら、ザイレ師曰く、道に迷ったとのことでした。

迷う？
どうして迷うんだ… https://t.co/0xl6rGTbTE— 興福寺 波乗坊 (@hajyoubou) September 10, 2020

実範上人ご命日の法要は、興福寺さんがずっと以前から毎年続けておられたそうです。御廟塔付近の土地も興福寺さんが購入されていて、地元の方に管理を依頼されていると聞きました。少し前から般若寺さんも法要をされるようになり、数年前からは浄瑠璃寺さん岩船寺さんも参加されるようになりました。

般若寺・浄瑠璃寺・岩船寺の各寺から、お二人の僧侶が出仕されました。

導師を勤められた般若寺の工藤良任住職。実範上人が、晩年浄土教に取り組んでいたことをふまえて、お経を選んでおられました。

三ヶ寺合同の法要が終わってすぐ興福寺のお坊さんが法要に来られました。

興福寺では、これまでずっと、毎年、実範上人御廟塔でご命日の法要を営まれていたとのことです。