高野山の皆様が南山進流声明の故郷、中川寺跡を訪れ、実範上人御廟塔前でご法会を営まれました。
20人以上の僧侶が声明を唱えました。
高野山三宝院のご住職で2020年に東寺長者に就任された飛鷹全隆猊下の呼びかけで、南山進流声明の故郷である中川寺にて、今川泰伸高野山宗務総長も参列されご法会が営まれました。本当に思いがこもった声明で、高野山の皆様がこの地を大切にされていることが伝わってくる素晴らしい法会でした。
https://www.youtube.com/watch?v=YXtd_vP5knw
御廟塔の上の紅葉が鮮やかに黄色く色づき、まるで瓔珞のようでした。中川寺は江戸時代には相当衰退していたそうですから、これだけの皆様がこの谷間に声明を響かせるのはひょっとしたら数百年ぶりかもしれません。少なくとも明治に中川寺が廃寺となって以来150年以上なかったことと思います。歴史的にも意義深いひとときに、立ち会わせていただきましたことに感謝いたします。
高野山では有志の方が、平成21年(2009)以降、毎年一度は御廟塔を訪れ御供養されていたそうですが、来年からは実範上人のご命日である9月10日の午後に、高野山としても御廟塔前でご命日の法要をされるそうです。これまでも毎年午前中には、興福寺が御供養をされています。近年では般若寺・浄瑠璃寺・岩船寺さんが合同でご命日の法要をされるようにもなりました。
ご命日の日に、様々な宗派が集い、それぞれに、時には合同で、ご法会を営まれることは、広く諸宗に出入りして研鑽に励まれた実範上人らしい御供養のあり方と思います。
錦秋の御廟塔。
背後の紅葉も綺麗でした。
導師を勤められた飛鷹全隆猊下。
飛鷹全隆猊下は、ご法会の一時間以上前に現地に来られて、背中に「高野山1200年」とある黒い作務衣姿で自ら準備をされていました。終了後も一番最後まで残られて、ブルーシートを片付けておられました。誰に対しても謙虚でお優しい人柄が印象的でした。
翌日の奈良新聞朝刊に記事が出ていました。
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