2014年2月1日(土)発見!中川寺!?
明治の地図からおおよその場所にあたりをつけ、中川寺を探してみました。
- (2014年3月1日(土) 午後4時39分31秒 更新)
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谷底からまっすぐにのびる人工的なスロープがみつかりました。
明治の地図から中川寺の場所を推理
系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」((C)谷 謙二)に、中川寺跡付近の地図も掲載されています。
この地図は明治41年のものだそうです。ということは、中川寺が廃寺となってまだ間もない頃の地図です。中川寺は、実範上人御廟塔のある谷にあったと言われています。そこで、この谷を通る道に注目して、中川寺の位置を推測しました。
谷を通る点線で示された道はおそらく中川寺が廃寺となる前から存在したはずです。道が谷の東側についているのは、谷の東側に何かがあったなごりに違いありません。
とすると、上地図の緑色の道が気になります。中川寺の中心的な施設には門があり、一般人は通り抜けられなかったのではないでしょうか。緑色の道は、中川寺を迂回して県境の道へ出るための道に見えます。
ということは、中川寺の中心的な施設はこの分岐より北にあった可能性が高いでしょう。上地図のオレンジ色で示したあたりがあやしいです。谷にぽこっととびだした半島のようなところに丸印がついているのも、ちょっと不思議なかんじがします。このあたりにも何かありそうです。
いざ谷の東側へ!
明治の地図にある道はすぐにみつかりました。中川寺跡の谷にかかる石橋の少し東側に、南へ向かう畝のようなものがあり、その上を歩いていくと、小さな流れがあって、その流れを渡った向こうに、道らしきくぼみが低い尾根の上へ続いています。
手前が県境の道です。ぬかるみを避け、畝のように盛り上がったところを薮をかき分け進みます。
右側が県境の道です。
あっけなくみつかった人工的な地形
小さな尾根を越えると、もうそこは平坦に整地されていました。ただ、明治の地図についていた丸印のあたりには何もなかったです。ただの広葉樹林記号だったのかもしれません。
真っ平らです。どう見ても自然の地形ではありません。
平らなだけでなく四角い形に掘り下げられています。
谷底からまっすぐにのびるスロープ
しばらく南に進むと、谷底からまっすぐにのびるスロープがみつかりました。谷の東側には、少なくとも二段、階段状に平坦な区画が整地されており、谷底から一段目へは、一段目を一定角度で掘り下げ、一段目から二段目へは、盛り土をして、なだらかなスロープが取り付けられていました。
平坦地はだいたい四角い形をしていて、一目で人工的な地形とわかります。ここが中川寺の一部であることは間違いなさそうです!
一段目から二段目へ上がるスロープ。
二段目からスロープを見下ろしたところ。
二段目の縁には石が並んでいた痕跡がありました。
このあたりから谷底の水路沿いに道(冒頭地図の青い線)があったようですが、現在はスロープのある場所から少し南に進んだところで薮に覆われ通れなくなっています。
こうなると西側が気になる!
四角い平坦地は、スロープにつながった平坦な区画より南にはみつからず、そこから先は自然の地形となっていました。谷沿いにしばらく山の中を歩いていると、明治の地図にあった、中川寺を迂回する道ではないかと推測した道にぶつかりました。この道も地図通りに県境の道につながっているのかどうか、今度確かめてみようと思います。今回県境の道を歩いていたときには、南側からの道に気づきませんでしたが、どこかでつながっていたのでしょうか。
ところで、家に帰ってから Every Trail に GPS データをアップロードして、自分が歩いた軌跡を眺めていて、いくつか気づいたことがありました。
谷底に向かったスロープの先には何があるんでしょう? これは絶対西側にも何かないとおかしいですよね。それからもうひとつ。GPS 記録から地図上に歩いた軌跡を描けるということは、人工的な区画の縁を GPS データを記録しながら歩けば、歩いた軌跡がそのまま区画図になりそうに思えます。これは試してみなければなりません! というわけで、それはまた次回☆
もし西側に中川寺跡が残っていれば、共同墓地がこの位置にある理由も説明できそうです。
- 注意!
奈良県では11月15日から翌年3月15日(延長されない年は2月15日)までシカ・イノシシの狩猟期間となっています。この付近はイノシシの被害が多いため、山中にククリワナが多数しかけられています。ククリワナに人間の足がかかることはまずありませんが、万が一かかっても手でワイヤーを緩めれば簡単に取り外せます。
ハンターが狩猟を行っていることもあります。道を外れて山中を歩く際は、オレンジや黄色のベストやウィンドブレーカー、帽子を着用し、できるだけ目立つ服装をしてください。白いタオルを腰にぶら下げていると、シカのお尻の白い毛と間違われる恐れがあります。絶対にやめましょう。
夏期は薮が濃くなり迷いやすくなります。またマムシがいますので、注意が必要です。出かける前に、どのあたりに向かい何時頃下山する予定なのか、おおまかな予定を誰かに伝えておきましょう。
Map.
写真の位置がわかる Every Trail 版はこちら。
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