地元とご縁がある方の仲介で勧請縄かけを見学することができました。
完成した勧請縄を参道の杉の木にかけるところ。
奈良市南庄町戸隠神社の勧請縄かけを見学させていただきました。以前は勧請縄かけの日が決められていたそうですが、現在は12月後半の皆さんが集まりやすい日にされているようです。
勧請縄にはやわらかい餅米のワラを使い、神様にお供えする縄ということで、反時計回りによっていくとのこと。
太縄に挿す御幣は12本、太縄に縄のれんのように吊り下げられる細縄は、4本ずつが一束となってやはり12束あります。縄一本が一週間を表し、12は12ヶ月を表すといいます。閏月の名残か、閏年は13本(束)にするのだそうです。4本が一束になった細縄には、上段にアオキ、やや上方の中段にヒノキの枝が挿し通され、細縄の端には1本ごとにスギの葉が結ばれます。細縄の端にあらかじめ輪っかが作られており、そこに杉の葉を通したあと、きゅっと引っ張ると簡単にスギの葉を結べるようになっていました。
勧請縄の形を、地元では「蛸」と呼んでいるとのことです。大柳生の勧請縄では蛸をかたどった藁飾りがぶら下げられますが、この地域一帯では、蛸におめでたいイメージがあったのかもしれません。
参加者全員で戸隠神社本殿に柏手を打って拝礼したのち、午前中いっぱいかけて作られた新しい勧請縄が、悪いものを祓う神社の結界として、また新しい一年の豊穣を象徴するものとして、参道に生えている二本の大きな杉の木にかけられました。この勧請縄は秋祭りの頃に外されるのだそうです。
縄ないをレクチャーしていただくなど、地元の皆さんにはとても親切にしていただきました。ありがとうございました。
手のひらを真っ赤にして、手の皮が剥けそうとぼやきながらも、皆さん、どんどん縄をないます。
縄にワラを包み込み、体重をかけて押さえながら、縄を太くしていきます。
天井からぶら下げて、海老の形に整えます。
窓を開け放ち、飾り付けのために外にぶら下げます。
まずは4本ずつ束になった細い縄をぶら下げます。
太縄の上に12本の御幣を挿します。
4本の束ごとに、アオキ、ヒノキを縄に挿し通し、細縄一本一本の端にスギの葉を結びます。
4本の縄に挿し通されたアオキとヒノキの葉。
形が蛸に似ていることから、「タコ」と呼んでいるそうです。
縄かけの前に本殿に拝礼します。
大きな梯子で杉の木に登り、勧請縄を引っ張り上げます。
高いところまでするすると登っていかれます。
無事杉の木にかけられた新しい勧請縄。この勧請縄をくぐるのはお正月からです。そのあとは、悪いものを祓うため、縄のれんをくぐるようにして、杉の木の間を通り抜けるのが良いとのことでした。
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