谷の奥深くにあり、お会いするのがたいへんな南北朝時代の仏様です。
風化が進み線彫りがほとんど見えません。
唐臼の壷でわらい仏に向かうのと逆方向の山道に入ってすぐ左手の谷が、内ノ倉不動明王磨崖仏のある谷です。この谷は水田になっていますが、水田に入っていく道ではなく、谷の手前で左へ、山を巻くように上っていく道を進みます。
※内ノ倉不動明王磨崖仏への道は危険です。山道に慣れていない場合は歩かない方がいいと思います。夏にはマムシが出ますので注意してください。
※2014年12月に再訪したときにはいくぶん歩きやすくなっていました。全行程動画になっていますので、再訪時の記事も参考になると思います。
左の細い道を進みます。
すこし行くと薮に行く手を遮られますが、薮をかき分けて踏み跡をたどります。
滑り落ちないように気をつけて踏み跡をたどります。右手に谷底の水田が見えます。
ここを通った人が鉈かなにかで薮を払ったようです。先が尖った硬い笹のくきがいたるところに突き出しています。突き刺さると大けがをしかねないので、十分に注意してください。
しばらく右下に水田を見ながら斜面の上を歩きます。しばらく行くと水田が途切れ、谷底が薮に覆われます。そこから少し行き、植林された林になったところで、道をはずれ谷底へ下ります。谷底に道はありませんが、谷の左奥に向かって歩くと、内ノ倉不動明王磨崖仏が見えてきます。
ここで谷底へ下ります。
笠のある岩が見えてきました。
昼間でも暗い谷の奥、ひっそりとたたずむお不動様。すぐそばにはきれいな水が流れ出していて、ここに不動明王が彫られたのもうなずけます。
火焔を背負い、右手に倶利伽藍剣を持って、憂いを帯びた目で前方を見つめるお姿が見て取れるでしょうか?
わかる範囲で線を強調してみました。
別の角度から
お不動様がみつめる風景。
内ノ倉不動明王磨崖仏
赤い線が今回歩いた道。写真の位置がわかる Every Trail 版はこちら。
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