白砂川に面した、大岩が積み重なった尾根の突端にあります。
大岩の上に行者堂があります。
「狭川・歴史マップ」(狭川地区万年青年クラブ連合会・狭川地区自治連合会・狭川地区社会福祉協議会、平成30(2018)年11月)によると、行者堂のあるあたりは山岳信仰の行場だったといいます。行者堂を拝むと、自分のすぐ後ろは崖で、足がすくむようでした。行者堂には役行者像が祀られています。この辺りでは珍しく、役行者像に全く破壊痕がありません。しかもまさかりを持った前鬼と水瓶を持った後鬼を従えています。残念ながら、前鬼の首が失われていますが、それ以外は非常に状態が良く、明治の神仏分離・廃仏毀釈による修験道の迫害を乗り越え、大切に守られてきたことを窺わせます。
どこも欠けていない役行者像。
まさかりを持った前鬼。首が失われています。
水瓶を持った後鬼。
白砂川べりから行者堂があるあたりを見上げたところ。大きな岩が積み重なっています。
「狭川・歴史マップ」に「行者堂の下の大井手淵で(下狭川)奥町の人が毎年土用の日に淵を清め禊をしている」と書かれていますが、ここが大井手淵でしょうか。この祭事を「ふじごえとり」といい、「節越えとり」がなまったものとも言われ、季節の変わり目に行う禊だそうです。
大畑〜福智西山城〜下狭川行者堂〜歯痛地蔵〜国境の弁財天〜前椚古墳群 / 弥勒の道プロジェクトさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
奈良と京都の県境を成す古道〜般若寺・浄瑠璃寺・当尾石仏の里・岩船寺・笠置寺を結ぶ道〜の再発見を通じて、奈良と加茂〜笠置の歴史をつなぎなおす「弥勒の道プロジェクト」。このプロジェクトは、誰でも気軽に参加できるプロジェクトです。参加方法は、古道の存在とその歴史的価値をあなたのまわりの人々に伝えること、古道周辺を探検してみること、それだけです!