方形の館城で、奈良市東部「東山内」に多く見られる山内型の典型例です。
北側虎口付近の土塁。
奈良市史通史二519ページに次のように書かれていました。
集落を挟んで南北に二か月あったが、南城は最近宅地になって周縁の土塁が崩され、北城だけが完存する。内に土塁・外に空堀をめぐらす方形の館城で、南北両虎口が残っていることからすると、山内型の典型例としての価値は水間城以上に高い。大手道は西北から丘縁を辿って西面空堀の外を巻いて南側正面虎口に至る。途中、西面空堀の中に入らせないための土塁が張り出していて、堀底道の使い方にも工夫をこらしていたことがわかる。
山内型とは、奈良市東部の東山内(東山中)によく見られる方形単郭の城をいいます。多くは小領主が在地を見下ろす高台に築いた館城で、平清水城跡はまさにそうした場所にありました。空堀や土塁がよく残り見応えのある城跡です。
奈良市史通史二p519 平清水城縄張図
平清水町の集落からは、民家の軒先に入っていくような小道を歩く必要があります。この道は、一応奈良市の認定道路ですが、民家の建物の間を通り抜ける道を行くのは、なかなか勇気がいることと思います。裏の林道から平清水城北城跡に行く道もあります。
奈良と京都の県境を成す古道〜般若寺・浄瑠璃寺・当尾石仏の里・岩船寺・笠置寺を結ぶ道〜の再発見を通じて、奈良と加茂〜笠置の歴史をつなぎなおす「弥勒の道プロジェクト」。このプロジェクトは、誰でも気軽に参加できるプロジェクトです。参加方法は、古道の存在とその歴史的価値をあなたのまわりの人々に伝えること、古道周辺を探検してみること、それだけです!