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2015年10月30日(金)入澤ゼミ、笠置寺へ

  • 現地ガイドを仰せつかったので、学生のみなさんとごいっしょしてきました。

  • (2015年11月9日(月) 午前2時9分27秒 更新)
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弥勒石の前で。

弥勒信仰の聖地、笠置寺

2015年10月30日、龍谷大学入澤ゼミの学生さんたちが、笠置寺を訪れました。学生さんたちは、南山城の仏教文化を研究している有志のみなさんで、笠置寺の歴史と文化について学びたいとのことでした。

https://www.youtube.com/watch?v=uWuHI2zgcfA

今回アクションカメラを持って行ったので、一分ほどの短い動画(上動画)にまとめました。動画の途中で岩の割れ目へ入って行っているのは「蟻の戸渡り」という修行場なんですが、あとで前のご住職に伺ったところ、本来は岩の上から動画とは逆向きにくぐり抜けるのだそうです。するとトンネルが90度に曲がる突き当たりにお不動様がいらっしゃるのがわかるとか。

もし修行場一周がどんなかんじか興味ある方はこちらの記事「【動画】笠置寺修行場めぐり」をご覧ください。以前一周したときの動画があります。

笠置山登山道。肌寒いようで、歩くと暑いくらいでした。

山門の前で一休み。入澤先生のミニ講義がありました。

笠置寺の本尊、弥勒磨崖仏。

線彫りがくっきり残る虚空蔵菩薩像。

笠置山の山頂一帯は、あちこちに巨石が積み重なり、ただならぬ雰囲気を漂わせています。

笠置山境界と書かれた石を発見。

ゆらぎ石。押しているとわかりにくいんですが、はたから見ているとけっこう動くのがよくわかります。

岩の割れ目をくぐり抜けた猛者。楽しい!と大満足のごようすでした。

笠置寺前住職、小林慶範師のお話

修行場を一周回って、後醍醐天皇行在所に登り、弥勒磨崖仏の頭の上に出て、修行場の入口付近へ下りていくと、ちょうど笠置寺の前のご住職でいらっしゃる小林慶範師が(おそらく解説をお願いしていた私たちをさがして)通りがかるところでした。

そのあと弥勒磨崖仏の前に移動し、前住職さんに、笠置寺の歴史や文化、笠置地域がたどった紆余曲折について、お話していただきました。ところどころノイズが多く聴きづらいですが、ぜひ動画で小林慶範師のお話をお聞きください。落語家さんのような名調子で、聴いていてたいへんおもしろく、しかも勉強になるお話でした。

https://www.youtube.com/watch?v=H53nPQ-1DdY

最初の方でカメラのバッテリーが切れたため、お話が少し途切れています。アクションカメラで撮影したのでそれほど音声がよくありません。同行された龍谷大広報カメラマンの撮影に写り込まないよう、ときどき移動しています。

前住職さんのお話を受け、入澤先生は、弥勒信仰の西の端には弥勒像とされるバーミアンの西大仏があり、では東の端はどこかと言えば、それは巨大な弥勒磨崖仏が造られたここ笠置山になるだろうと指摘、学生のみなさんに、アジア的視点で考える重要性について示唆されました。笠置山の弥勒磨崖仏が、バーミヤン西大仏と兄弟関係であるという見方には、蒙を啓かれた思いです。かつて弥勒磨崖仏が掘られていた巨大な岩を前にお話を伺うと、説得力が全然違いますね。

当日のうちに、入澤先生が笠置寺訪問の感想をツイートされてましたので引用します。

今日はゼミ生を連れて笠置寺に行ってました。急な山道を登り、磨崖弥勒仏を拝観。周辺を巡り歩き、最後はご住職のお話を磨崖弥勒仏の前で拝聴。私は、南山城地区は仏教文化史上極めて価値のある地域と考えています。渡来系民族が最新の仏教文化をもたらし、天皇や貴族に強い影響を与えました。要注目!— 龍谷ミュージアム前館長のつぶやき (@tirisawa) 2015, 10月 30

今日、笠置寺に行って、どうして後醍醐天皇が笠置に拠点を置いたかが実感できました。「弥勒の聖地」であることが大きく作用したはずですが、これまで後醍醐の構想を弥勒と関係づけた論考はあったでしょうか?弥勒信仰の内実をもっと発信せねばなりません。— 龍谷ミュージアム前館長のつぶやき (@tirisawa) 2015, 10月 30

東大寺に「二月堂」「三月堂」「四月堂」はあるけれど、「一月堂(正月堂)」はない。実は「正月堂」があるのは笠置寺。東大寺の北東12キロの所に位置する。そこは良弁・実忠とも関わる伝説を有する。「お水取り」の源流を見る上でも重要。弥勒磨崖仏で知られる笠置寺は東大寺の「奥の院」?— 龍谷ミュージアム前館長のつぶやき (@tirisawa) 2015, 10月 31

東大寺のお水取りを創始したと伝えられる実忠和尚について、「二月堂縁起」では、「笠置寺の竜穴より入って北へ一里ばかりを過ぐるに、都率の内院」とあって、実忠が弥勒の世界(都率天)のうち常念観音院で十一面悔過が修されているのを見て、その行法を人間世界に移した説く。これは重要な記述です。— 龍谷ミュージアム前館長のつぶやき (@tirisawa) 2015, 10月 31

入澤先生も触れてらっしゃいますが、前のご住職のお話は本当におもしろかったです。わざわざ手づくりの資料までご用意くださいました。笠置のことを若い人に伝えたいという熱意に、頭が下がります。

小林慶範師のおもしろいお話に思わず笑いがこぼれます。

学生さんたちを鼓舞する入澤先生。

大学広報カメラマンさんのリクエストで、いい絵が撮れそうなところに移動させられるみなさん(笑)。

任務終了。笠置山を一周回って、巨石がたくさんあって、古代人が何かパワーを感じただろう山だなってことをなんとなく体感したあと、前住職さんのお話を聴けたのは、結果的によかったと思いました。お話の中にそれがわかってないとピンと来ないところも多々あったような気がします。というわけで、いまいちたよりない現地ガイドでしたが、お役に立てましたなら光栄です(^^;。

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