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2015年4月2日(木)【動画】笠置寺修行場めぐり

  • 笠置寺の修行場を一周しました。

  • (2015年5月7日(木) 午後6時6分44秒 更新)
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笠置寺本尊弥勒磨崖仏。かつてここに大きな弥勒磨崖仏が刻まれていました。

巨岩がそそり立つ聖地

笠置山の山頂には、数多くの巨岩が群立し、笠置寺が築かれる以前から、神々が降臨する「磐座」として、信仰を集めていたと言われます。笠置寺には、そんな巨岩をたどって山頂を一回りする「修行場めぐり」があります。

https://www.youtube.com/watch?v=FAcNU_KZ4kw

2:30 弥勒磨崖仏
6:20 千手窟
8:30 虚空蔵磨崖仏
11:29 胎内くぐり
13:00 太鼓石
16:35 ゆるぎ石
19:00 平等石
21:00 蟻の戸渡り(奥に不動明王像があるというのですがどこだかわからなかったです)
22:36 平等石下のトンネル
30:30 貝吹き岩
37:05 天文三年阿弥陀磨崖仏
39:20 行在所(「あんざいしょ」と読むらしいですね(^^;。動画ではおもいっきり「ぎょうざいしょ」と言っています(恥)。)
41:20 西ののぞき
44:00 大師堂(旧正月堂の跡)

修行場巡りのルート

※動画はこのあと訪れた貞慶上人墓地まで続いています。

弥勒磨崖仏・正月堂

修行場めぐりで、最初にお会いするのが笠置寺本尊である弥勒磨崖仏です。

かつて弥勒磨崖仏が刻まれていた弥勒石。弥勒磨崖仏には覆堂があったと見られますが、元弘元年(1331)、元弘の乱が勃発、笠置山の合戦により兵火で堂が焼け落ち、火に弱い花崗岩の表面が、火力で剥落したようです。

焼失前の笠置寺弥勒磨崖仏の姿は、鎌倉時代の絵図や模刻された磨崖仏からうかがい知ることができます。室生大野寺の弥勒磨崖仏は、承元二年(1208)、笠置寺弥勒磨崖仏を写した下図を元に彫られたと伝えられています。また、当尾岩船寺裏の弥勒の辻弥勒磨崖仏も、文永十一年(1274)に笠置寺弥勒磨崖仏を模して彫られたものと考えられています。

鎌倉時代に描かれたと見られる絹本著色笠置曼荼羅図(重要文化財/大和文華館蔵)には、焼失前の笠置寺弥勒磨崖仏の姿が色鮮やかに描かれています。

絹本著色笠置曼荼羅図でも描かれているように、元は弥勒磨崖仏を囲むようにして、崖に張り出した礼堂が建てられていました。この礼堂は解脱坊貞慶上人が、元久元年(1204)に、小さく使いにくかったそれまでの礼堂に替えて、規模を広げ、新しく建て直したものです。笠置曼荼羅図に描かれている木瓦葺十三重塔は、礼堂建立より少し前、建久九年(1198)に、同じく貞慶上人によって建てられました。(小林 義亮「笠置寺激動の1300年―ある山寺の歴史」90-92ページ)

現在礼堂はなく、弥勒磨崖仏前のお堂は「正月堂」となっています。もともとの正月堂は現在大師堂がある場所にあったとのことです。

正月堂に祀られている弥勒磨崖仏復元図。

木瓦葺十三重塔のあった場所に建つ十三重の石塔。鎌倉末期のものと見られ、寺伝によると解脱房貞慶上人の母の供養塔と伝わっています。(「笠置町と笠置山―その歴史と文化―」71ページ)

千手窟

笠置寺縁起によれば、東大寺の高僧良弁の高弟実忠が、この千手窟から兜率天に入り、天衆が十一面観音の悔過を修めているところに行き当たり、天衆を説得してその行法を下界に持ち帰ったのが、修正会いわゆる「お水取り」の始まりなのだとか。

また、一代峰縁起には、延喜年間(10世紀はじめ)に道賢(日蔵上人)というお坊さんが、笠置山で修行し、千手窟から兜率天へ入って大日如来の宮殿で役行者に会うという語が残されているといいます。(小林 義亮「笠置寺激動の1300年―ある山寺の歴史」51-55ページ)

金剛界石と胎蔵界石の間にある千手窟。胎蔵界石には側面に蓮華座の一部が残っており、ここにも仏像が彫られていたようです。(「笠置町と笠置山―その歴史と文化―」70ページ)

線彫虚空蔵菩薩磨崖仏

寺伝では虚空菩薩とされていますが、弥勒菩薩、如意輪観音、観音菩薩など諸説あります。

造立年代は奈良時代とも言われますが、線彫りが今なおくっきりと残されています。

間近に見るととても迫力があります。弥勒磨崖仏もこんな風にくっきりした線で大きく描かれていたことでしょう。

山頂からのすばらしい眺め

北側へぐるりと回って山頂付近に出ると、木津川を見下ろすすばらしい眺めを楽しめます。

平等石は江戸時代月見の場所だったそうです(笠置寺修行場巡りのリーフレットより)。木津川上流がはるか彼方まで見渡せます。

平等石から笠置大橋を望む。天気がよくとても気持ちがよかったです。

平等石の下の岩穴。実はここを通り抜けると平等石の上へ出ます。

貝吹き石からの眺め。

阿弥陀磨崖仏

貝吹き岩から行在所へ向かう、モミジ公園を見下ろす道脇にあります。

道脇の大きな岩に彫られています。

「聖宥阿闍梨 天文三年甲午(1534)七月十五日」の刻銘があり、室町後期の造立です。(「笠置町と笠置山―その歴史と文化―」73ページ)

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